HOME » 自腹で潜入レポート » この相談所の潜入レポート » オーネットのパーティーレポ③「中高年がそろったパーティーで出会った“乙女”」
今回は、ブランチタイムから優雅にフランス料理とお酒がたしなめる、ちょっと大きめな規模のパーティーだ。参加料金が高めとあって、貸し切ったと思われる十分な広さがあるオシャレなレストラン。会場に到着したときには、すでに華やかな空気が流れていた。
参加者の年齢も高めで、男性は40代がほとんど。会社の上司にいそうなタイプや昔教わったことがありそうな先生タイプとか、私の結婚相手としてはピンとこない人ばかり。いうなれば、“お父さん大集合~!”って感じ。高めのパーティー金額にふさわしい貫禄と経験と年齢を兼ね備えている男性陣だから、年上好きの女性にはたまらないはずだ。
さっそく始まったトークタイム。基本的な流れはオーネットの支社パーティーと変わりなく、一人ひとりとお話する仕組みになっている。違う点は、話す人数が多くなったということ。1人あたり5分程度とはいえ、25人もの人と話をするとなると、かなりのエネルギーを使う。
しかも今回は沢山の年上の「おじ様」と思えてしまう男性ばかりで、接点を見つけるのがむずかしい。15歳ほど年齢差があると、男性から注がれる視線もどこか子供を見ているようで対等に扱ってもらえていない感じがする。世の中にはひと回り以上も離れているカップルなんてわんさかいるのに、それとはなんだか違う。
このパーティーには、バツイチや子持ちタイプの男性が実に多い。すでにいくつもの波を経験し、第二の人生を考えようとしているのだ。たしかにそういう人から見れば、恋愛以上の経験がない私とでは差があるのはしょうがないかもしれない。要は、私が子供すぎるとか相手がおじさんとかではなく、相手を探す場を間違えたのだろう。
ひと通りトークが終了した後は、お食事タイム。トークタイムを楽しめなかった私は、食事しかないと思い始めた。
今日のメニューは、大きなお皿に少しの量を彩りよく盛り付けられているたぐいのフランス料理である。それぞれのテーブル席にはフォークとナイフがきれいに並べられている。異性を目の前にして、きちんとしたテーブルマナーを披露しなくてはならない。
もちろんフランス料理だから、お酒も堪能できる。食前酒をはじめ、料理に合わせた白や赤のワインワインも出てきた。いくらお酒が好きでも、お見合いの席なのでお酒の量は控えめに。
私の目の前に座った男性は、少しのお酒ですでに顔が真っ赤。見た目だけなら20代後半に見えるほどで、実際に参加者の中でも若い方のはず。テーブルマナーにも手こずっているで、少々食べものをこぼしても、その可愛らしさで許される雰囲気があった。
デザートまでのコースメニューを食べ終わった後には、席の入れ替えが行われた。このとき私の目の前にやってきた40代の男性から、「パーティーが終わった後、ご一緒していいですか?」と誘われる。
パーティー終了後は、その人と一緒にお話しすることとした。
開催場所の関係か、人数が多めだったからか二次会が行われる様子はなかった。そのためパーティーが終わると、その男性と2人で場所を移動、急遽お見合いが執り行われることとなった。
男性は、大柄な体格で色黒。
髪の毛は幾分白髪混じりではあるが、角刈りに近い短髪で、いかにも活発そうである。
しかし服装センスはまるでない。仕事を聞くと一般企業に勤めるサラリーマンだから、いつもスーツを着慣れているはず。なのに、紫がかったグレイのダブルスーツ。100円ショップで買えそうな柄のネクタイと真っ白すぎるワイシャツは、まったくもってセンスの良さを感じない。
でも、女性に不器用そうだけど、人の良さだけは伝わってきた。
パーティー会場から少し歩いたところで見かけた喫茶店に入る。お茶を飲みながら会話を始めるが、この男性、ずーっとこちらに目線を向けて微笑んでいる。素敵な笑顔だとしても、あまりにスマイル光線を送り続けられるとツライものがある。
視線が私に向いていれば、当然私も目を合わせる。だけど、長い間ジーっと見られていると、視線を外したいのに、外すタイミングが見つからず延々とお互いに見つめ合わなくてはならない。これって結構疲れる。
彼は、笑顔を向けながら突然こう話し出した。
「○○さん(私)て、犬系の顔をしていますね♪ 動物に例えると私は何系ですか?ウフ♪」
いい年齢の男性にしては、ずいぶん乙女チックな切り口である。
この人は動物占いなんかが好きそうだと思いつつ、当たり障りのない答えを導き出そうと私の頭の中には動物が駆け巡る。
ガッチリした大きな体つき、色黒で目鼻立ちがくっきりしている濃い顔立ちは、マントヒヒが本当のところだった。しかし、それを口にするわけにはいかない。
焦りつつ声に出たのは、
「きっと♂さん(男性)が似ているのは、そんなに単純な動物じゃないと思います。すごく複雑で当たり前にいるような感じではないですよねぇ」
素敵なイメージが持てる答えを精一杯に考えてみる。
すると♂さんも自分に似ている動物を考えていたようで、こう言い放った。
♂:「カピバラとか?」
うん、たしかにカピバラは珍しい動物に違いない。
でも、すっっっごくかわいすぎる。
申し訳ないが、♂さんにはどう見ても似ていない。
「確かに似てますね~」などと適当に受け流すことができない私は、言葉につまった。
でも、「いや~、それは違うんじゃ・・・」と言って、相手の気分を害するのはよくない。
ここで話を止めるわけにもいかず、考えに考えて答えを捻り出した。
私:「・・・シカに似ていますね♪ くっきりした目の辺りがソックリかもです♪」
黒光りした顔の中にくっきりとした輪郭を描く目は、シカのようなピュアさあると思ったのだ。
それでも、♂さんには通じなかったようで、
男性:「シカ・・ですか~。コジカじゃないですか?!(笑)」
どうしてもかわいい動物になりたいらしい。
私:「コジカといえば、バンビちゃんじゃないですか~(汗)。オードリー・ヘプバーンの特権ですよ!」
と、適当にごまかす私。それでも言い過ぎたかなと思い、
私:「目がぱっちりしているところとかまつ毛がふわぁ~ってしているところとか、(バンビと)近いものがありますね」
こんな風に話題をしめた。バンビもシカも同じなのだから、どっちだろうとかまわないだろうに、カワイイと言ってほしいのか最後のひと言で♂さんの顔が喜んでいたように伺えた。
いったん会話が終わって気づいたことは、何でアタシが慌てているんだ?ってこと。
ふつうだったら、女性に対してかわいいと褒めちぎることはあるだろうけれど、男性の可愛さを慌てながら褒めるということは、そうそうない。
お世辞を言わなくちゃならない男性の気持ちが少し分かったような気がした。
喫茶店でのお見合いが終わり、♂さんは帰りの駅まで一緒に歩こうと言う。
私はさっさと帰りたい気持ちになっていたけれど、駅までならそんなに遠くないからと思い一緒に歩くことにした。
それでも、なるべく早く帰りたい私は、町の裏道をなんとなく知っていたから、そっちのほうに♂さんを促した。
近道を歩いていると、なんだか目の前が騒がしい。
何だろう・・・と思い、にぎやかな方をよく見てみると、結婚式の真っ最中だった。
ウェディングドレスを着た新婦が手を引かれて歩いているではないか。
そう、近道の通り沿いには教会があった。この日は週末だし、ウエディングシーズンでもある。
ふつうだったら、結婚式の光景は微笑ましいもの。私だってウットリと眺めていたいところだけれど、乙女チックな♂さんと一緒に見るのはどうにも・・・。隣を歩く♂さんに、この話題を振るのさえイヤな自分がいた。なんだったら、おめでたい光景の前を素通りしたいくらいだ。
そんな私の気持ちはお構いなし。♂さんは結婚式の光景に大感動である。
挙句、♂さんが過去に結婚を約束していたというフィアンセの話まで飛び出した。
しばらく式の様子を眺めたあと、駅でお別れすることとなったのだが、これで♂さんと完全にお別れしたわけじゃない。
お別れしてから一週間後、♂さんの「本紹介書」が私の元にやってきた。
オーネットでは、パーティーで出会ったお相手と再び会いたい、もしくは交際したいと思った場合、お店を通して交際を申し込むことができる。逆をいえば、お店を通さなければ、交際を申し込むことはできない仕組みになっている。するとお相手には、自分の詳細なプロフィールが記載された「本紹介書」が郵送されるのだ。
それを見て、もう一度会いたいと思えば交際のお受けを、会いたくなければお断りにサインをする。
♂さんはイイ人ではあったけれど、交際したいとまでは思わなかった人だ。
数時間だけのふれあいで選んでもらえたのは光栄だった。でも“乙女おじさん”とは、残念ながら付き合えない。
こうしてお断りのサインをし、“乙女おじさん”との出会いは幕を閉じたのだった。