HOME » 自腹で潜入レポート » この相談所の潜入レポート » オーネットのお見合いレポ⑤「自分の失敗を運命のせいにするオトコ」
ルックスで選んだばっかりに失敗したお見合い後、それでも私は、懲りずにイケメンを選んでしまった(笑)。だってデータマッチングで紹介される時点で、データ上の相性はよいわけだし、当然、私の希望条件もクリアしている。仕事や年収などをザッと見ても不満はないのだから、最終的には何で選ぶか?となると、やっぱり見た目でしょ。
そんなわけで今回のお見合い相手は、キリっと引き締まった表情の、誰から見ても男前という顔立ちのEさんを選んだ。見た目が好みなのは当然なんだけど、クリエイティブなお仕事をしているせいか、シャツを第二ボタンまで空けてラフに着こなしているのだが、いやらしくないセクシーさがある。
プロフィールからも、Eさんの意識の高さが伝わってくる。趣味には美術鑑賞・油絵とあり、スポーツも得意そう。メッセージ文に「感謝の気持ちを、素直に伝えられる人でいたい」とあるのも、惹かれるところ。料理も好きそうだから、結婚後には自分から進んで家事を手伝ってくれそう、なんて想像したり(笑)。
ちなみにEさんの仕事はデザイナー。年収が4ケタ超えしているほどだから、とても忙しそうである。なのに、プライベートも大事にしていそうな印象がツボにハマる。こんな好条件な人が、よく私とのお見合いをOKしてくれたなと思った。
まずは、Eさんとメールでやり取り。Eさんのメールには、ほどよい距離を保ちつつ絵文字や顔文字が適度に使われ、親しみが感じられた。この時点で、すでに私は舞い上がっていた。
Eさんはお見合いの事前連絡で、
「新宿の△□にあるカフェ『●×(店名)・☆★店(支店名)』に○時でどうでしょう?」
と、待ち合わせの場所と時間を明確に知らせてきた。
Eさんはそのカフェに詳しいようで、当日はお店のどのあたりに待っているといった詳細な場所まで書いてきた。
細かいと思う人もいるかもしれないが、一度も会ったことのない人と合流しなくてはならないわけだから、会う前に詳細を伝えてくれる気遣いは、とても嬉しいもの。とくに写真とのギャップがある場合には、なかなか巡り会えないってこともあるのだから。優柔不断な私には、Eさんが頼もしい男性に思えてきた。
お見合い当日、待ち合わせ時間の15分前には「到着したので待っていますね」というメールがEさんから届いた。
このとき私は、電車で移動している最中だった。お見合いに遅刻するのはよくないけれど、遅れているわけでもないのに15分も前に到着したなんて連絡が来ると、待たせて申し訳ない気分になってくる。早すぎる到着メールというのもいかがなものだろうと思った。
駅に到着すると、さっそく前もって知らされていた場所へ移動。しかし人が行き交うゴミゴミしたところで姿を探し出すのは、なかなか困難である。
結局、待ち合わせ時間の5分前には到着。指定された場所付近にいる男性一人ひとりEさんと重ねながら見ていくが、思いどおりの人はいない。その中に、写真で見たEさんと同じように、前髪の額にかかり具合が似ている人がいた。そこでEさんの携帯番号に電話をかけてみると、受話器を耳に当てたのはその人だった。……Eさんの見た目は、写真負けしていた。
Eさんは写真で見たイメージよりも、やや老け気味。薄くなってきている頭は地肌が見え隠れしている上、明るい茶系に染めているから余計に薄く見える。そして、なぜか格好はものすごく若い。B系メンズが好みそうなダボっとしたジーンズに、上は真っ白の革ジャンを着ている。ジーンズのベルト部分にはシザーバッグ。
きっとEさんはデザイナーだから、流行に敏感で服装も人気のスタイルにしているのだろう。でも、流行りのスタイルとはいえ、Eさんには似合っていなかった。
この日の予定はEさんが決めてくれた。が、その内容については何も話してくれない。黙々と歩く間に出てきた話題は、好みの異性について。メールでもそこまで深い話をせずにお見合いを迎えたから、「好きな男性のタイプは?」と突然聞かれてびっくりだった。まだ出会ったばかりなのに、質問が唐突すぎる。
Eさんは次々と会話をつなごうと頑張ってくれていた。一方、私は話すのに必死で、私たちがどこに向かって歩いているのか気づかなかった。そして、いつの間にか超高層ビル街に到着した。
「実は、1時からここの上の階に予約を入れてあるんです」とEさん。
なんでも、今から入ろうとしている超高層ビルの上階にレストランを予約しているとか。これまでのお見合い相手の中で、お店を予約していた人は初めてだったから、私は驚いた。
予約した時間まで1時間近くある。そこでEさんの方から、「軽くお茶でも飲みながら話しましょう」と言ってきた。カフェでのドリンク代は、Eさんが当然のように支払ってくれた。支払い方があまりにも自然だったけど、なんとなく申し訳なくなり、私は2人で座るための場所を先に確保しておくことにした。
Eさんは私が待つテーブル席へ、2人分のドリンクをトレイに乗せて運んできた。あまり広くない店内はとても静かだったので、すぐ隣の席にいるお客さんに私たちの会話が聞こえないかと少々気になった。
というのも私たち2人が話している内容を聞けば、お見合いであると簡単に想像がつく。見合い中だなんて周りに知られたくない私は、仕事の話ばかりをして仕事上のお付き合いであるかのようにカムフラージュしてみた。
しかしカムフラージュが不自然だったのか、すぐ隣に座る中年の女性が私とEさんのことをチラチラと見てくる。視線が気になる私は、カフェにいる間ずっとEさんとの会話に集中できないまま予約の時間となり、カフェと同じビルの最上階にあるレストランへ向かった。
レストランに入ると、高級感漂う店内と見晴らしのよい景色が目の前に広がる。これまでお見合いしたお店の中でも、もっとも優雅なひと時を過ごせそうな予感である。
Eさんは、お酒好きなようで、「軽くビールでも飲みませんか? お休みですしいいでしょう」と聞いてきた。私は初対面の人と昼間からお酒を飲む気にはなれず断りたかったけれど、あまりにも進めてくるため「少しだけなら……」と思い、2人でビールを注文することにした。
ラグジュアリーなお店だから、当然ビールを注ぎ入れるグラスも上品。
私はEさんとは初対面だし、お酒は品よく形だけにする予定だった。
ところがEさんは、少しでもグラスが空くと注がなくてはいけないと思っているようで、なみなみとビールを注いでくる。接待じゃあるまいし、女性のコップにあふれるほどお酒を注ぐのはどうなんでしょう? 酔いたくないし何より飲みたくないから、私はビールを口にしなくなった。
そんな私のことなどおかまいなしの様子で、Eさんは2本目のビールを注文。この席がお見合いだってことを忘れていやしませんか!? と聞きたいほどだった。
そうこうしているうちに、お食事が運ばれてきた。テーブルマナーが問われるお料理だった。Eさんはナイフとフォークを使って、美しく食べている。
お酒のことを別にすれば会話も楽しい。けれど、途中から話の方向性が変わってきた。
Eさん:「僕、○○さん(私)のこと占ってもらったんです♪」
とても楽しそうに、切り出すEさん。
親切にも、私のことを占ってくれていたようだ。その占いの結果というのは以下のような内容。
Eさん:「○○さんは、来年中に結婚したほうがいいみたいですよ。出産はムリでも、できれば妊娠までは終えたほうがいいかも。21年から宿命大殺界に入るため思いどおりに事が運ばないらしいですから、今年は人生に大きな変化をもたらさない方が良いそうです」
悲惨な占い結果だった……。こういうのをありがた迷惑というのかもしれない。
さらにEさん、結婚や妊娠は今すぐにでも決めた方がいい、悪い時期に入ってから結婚や妊娠をすると、離婚したり流産したりと不幸が起こるのだと力説する。
初対面の人からこんな痛々しい報告を受けるなんて、ビックリする以上にキモい。
そんなEさん本人の占い結果を尋ねると、
Eさん:「私の悪い時期は、つい最近過ぎたんです。思えば、これまでけっこう大変なことがありましたからねぇ。子供時代に家族がバラバラになってしまったし、国家試験は何度受けても受からなかった。職業も転々としていましたしね。でも私は大器晩成型と占い師に言われているので、これからは安定期に入るみたいです」
ということだった。
たしかに占いは楽しいし、私だって嫌いじゃない。だけど、こんなにも占いをあてにする他力本願な態度ってどうよ? というか、国家試験に落ちたことを運勢のせいにしている時点で頼りないし、人生の伴侶として選びたくない。自分の努力が足りなかったから試験に落ちた、とは思わないのだろうか。
そろそろ店を出ようという流れになり、席を立ち出口に向かって歩き出す。レジの前で会計するのかと思ったら、そのまま通過。
あれれ? と思ったら、どうやら私がトイレに行っている間に会計を済ませていたらしい。
最後の最後まで紳士的で、マナーだけは完璧だった。でも占いに身をゆだねる姿を結婚相手としてみることはできず、何の感動もなかった。もちろん、Eさんとはそれっきりです。