HOME » 自腹で潜入レポート » この相談所の潜入レポート » オーネットのお見合いレポ③「初対面の印象は大切デス」
今回のお相手のCさんは、電話が苦手な私と似ているところがあるのか、会う日までメールのみのやり取りでまったく問題なく話が進んだ。
最初のメールから、お互いに映画が好きという話題で盛り上がる。一緒に映画を観に行こうという話になるのは自然な流れだった。さっそく、どんな映画を観に行こうかという話になった。
Cさんが観たいという映画は、ハリウッド系のアクション大作。日本でも結構人気だし、私でも題名くらいは知っている。しかし正直言って私には興味のないジャンルだったしシリーズ作品なので、前作を観ていないから、とやんわりと断ってみた。
Cさん:「僕は全作観たけど、かなり前だから、鮮明には覚えてないですね。問題なければ、事前にチケットおさえておきますよ」
Cさんは、どうしてもその作品が観たいようだった。しかし、私だってそう簡単には引き下がれない。
ほかにも観たい映画はないか尋ねるてみると、邦画系感動モノのシリーズ作をあげてきた。その作品は私も気になっていた作品なので、決定となった。
Cさんが事前に手配してくれた映画のチケットは指定席。お見合いの前日には、その旨を伝えるメールが届くなど、配慮が行き届いている。
そして当日。時間通りに待ち合わせ場所へ到着すると、さっそくコールが入った。電話で話しながら、写真で記憶していた顔を探していると、すぐにCさんを見つけることができた。Cさんの服装は、シンプルに決めたラフなスタイルでなかなかの好印象。しかし、乾燥しやすい肌なのか、顔は少々肌荒れが目立っている。男の人は肌の手入れなど気にしないものだし、まあ仕方ない。
それより、気になった点があった。
口臭と、眠たそうな目元の目ヤニである。これでは「おはよう」と言ってくる言葉も、あまり爽やかには聞こえてこない。
映画館があるビルのエレベーター前に到着すると、エレベーターを待つほとんどの客は映画館に行くようす。みなカップルか夫婦という男女ばかり。その中に初対面のCさんと私もいるわけだけれど、まわりからはカップルに見えるはず。Cさんの服装の感じは悪くないし、男の人と2ショットで映画という雰囲気に酔った私は、先ほどガッカリしたことがそれほど気になるものじゃなくなった。
チケット売り場に到着すると、Cさんは予約していたチケットを受け取りに行く。戻ってきたところでチケット代を払うと私が申し出たところ、丁寧に「大丈夫ですよ」と言ってくるあたりは紳士的だ。私がこの日のお見合いで支払ったのは、自分のドリンク代くらい。それも、お互いの飲みたいモノが売られている場所が違っていたから支払っただけである。
上映が始まってからしばらくは、それぞれ映画の世界に没頭する。
全編ほんわかムードの作品だったけれど、物語の終盤にプロポーズシーンが登場。これは予想外のことだった。
お見合い相手のCさんとプロポーズシーンを見るのって、結構気まずい。
というか、ものっすごくハズカシイ・・・。
普通に観れば大感動のシーンなのに、私は一人でアタフタしていた。
なんで、この映画を選択してしまったのか。もう少しライトな作品にするべきだった。
とてもじゃないけれど、隣に座るCさんと顔を合わせられない・・・。映画が終わったら、どんな顔をすればいいんだろう。
そんなふうに慌てながらも、クライマックスシーンでは素直に涙が出てくる。でも一人で映画を観ているわけじゃないから、マスカラがハゲ落ちてパンダ目にならないよう気をつけて泣いた。
それから、涙が流れても目元は拭かなかった。目元を拭く仕草で、Cさんに泣いていることを覚られたくなかったから。もちろん鼻をすするのも、泣いてることがバレるからNG。
おかげで私の顔は、鼻水も涙も垂れ流し状態となった。エンディングを迎え、会場が明るくなってもCさんと目を合わせる余裕なんてない。だから会場が完全に明るくなる前に、Cさんに一言断りを入れてトイレに行くことにした。
そしてトイレの鏡の前で思うのだった。お見合いで感動モノは避けるべきだと。
そういうときこそCさんが最初に提案してくれた、ハリウッド系アクション大作の方がよいのだと痛感した。
映画を観ている間、Cさんの様子を気にしている余裕はなかった。
しかし、Cさんも私と同じようにプロポーズシーンには気恥ずかしい思いをしたのではないか、と見る映画を無理やり変更させたことに申し訳なく思った。
映画館を出た後も、私は感動と恥ずかしさで胸いっぱい。しゃべり出すのはひと苦労だった。初めてのお見合いから感動系は、キツかった。Cさんもうまいこと言葉が出てこないよう。ただ、Cさんの少ない言葉数ながら感想を聞いていると、素直に感動できる人だということは分かってよかった。
映画を見た後は、軽くお茶をすることに。Cさんの「入ったことはないけれど、いつも人気のカフェがある」のひと言でお店は決定。サラッとお店の名前が出てくるところは好感度が高い。
注文したケーキが来るまでの間、仕事や友人のことなどを話した。話は和やかにすることができ、普通にコミュニケーションがとれることにひと安心。
Cさんとは、このあともう一度会った。
そのときに本格的な交際の申し込みをされたけれど、やはり初めて会ったときの印象が消えずお断りすることにした。