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自腹で潜入レポート お見合い編

エムズブライダルジャパンお見合いレポ②「ビジネス街に生きる男」

お見合い基本データ
お相手:34歳 会社員 年収1,400万円
「良縁ネット」にてお相手から申し込みがあり、お見合いを決定。

【出会い】お相手が遅刻、そして眠たそう……

結婚相談所から指定された今回のお見合い会場は、一度も行ったことのない某シティホテル。私の家から離れた場所にあるため、遅刻しないよう前夜のうちに服を用意し、電車の乗り継ぎや到着時間を間違えないようにメモしておいた。

当日、私は待ち合わせの15分前に早々と到着。けっこう早く着いてしまい、トイレでメイクを直すことにした。
お見合い中にヘマをしないよう、メイクを直しながら相手のプロフィールを再度チェックする。人違いをしないように注意を払っていても、写真とまるで違うことだってありえるのだ。最低限の準備をしておかなくては……。
プロフィール内容を復習しながら待っていると、緊張が増してくる。準備が整った私は待ち合わせ時間の3分前になると、お見合い相手のBさんをロビーで待つことに。

待ち合わせの12時になった。しかしBさんの姿は見当たらない。ロビーで待ち合わせのはずだけれど、私が場所を間違えてしまった? そう思い急いでお見合い場所を再確認すると、間違いはないようだ。こうして待っている時間は、やけに長いと思いながら10分が経過した頃に、ようやくエレベーターの方からBさんぽい男性がやってきた。お相手も私を見ている。

Bさん:「遅れてすみません。●子さんですか?」

私の名前を知っているということは、この人がお見合い相手のBさんだ。プロフィール写真よりも、実際の方がさわやかな印象。しかし、起きたばかりなのだろう。目が充血しているうえ、目ヤニがついている。顔を洗うヒマもないくらいに慌ててやってきたのかもしれない。

ロビーのイスに座っていた私は、即座に立ち上がって挨拶しようとした。そして、スクッと立ち上がった瞬間に気づいた。エ……、私よりも小さい? 確かにプロフィール上で確認したときも男性にしては小さいと思ったけれど、私よりは大きいはずだった。なぜ小さいのか考えて出てきた答えは、私の靴。この日履いてきた靴は、かなり高さのあるヒールだったのだ。念入りに準備したつもりが、裏目に出た。靴の高さも、考えて選ぶべきだった。

【第一印象】年収1,000万超え、見た目は気にせず。

今回のお見合いはブランチタイムだから、ご飯かお茶か迷うところ。Bさんはお互いの空腹加減で入る店を考えるつもりらしく、私のお腹の空き具合を聞いてきた。

私は朝早くからお見合いの準備で動いていたから、かなりお腹が減っていた。でも「お腹ペコペコなんですよ~」とは言いにくいし、食べ物にがっつくような発言はレディーとして避けたい。そこで、「軽く食べられる感じはどうでしょう?」と私のほうから提案した。Bさんもそのくらいがよいと思ったようで、眺めのキレイな高層カフェラウンジに入ることとなった。

私とBさんが案内されたのは、お互いの存在を斜めに捉えるよう配置された席。椅子に座った私はメニューを見ながら、もう一度Bさんの様子をチラ見した。

高額所得者のBさん(30代)は、そのリッチさをイヤらしく漂わせているわけじゃないけれど、オシャレに気をつかうタイプでもないようだ。
上半身は全くシワのない綺麗な白シャツに質の良さを感じるグレーのカーディガンを合わせ、ボトムは何日も履き続けているようなヨレヨレ感が漂っているベーシックなチノパン。足元を見ると、40~50代のすっかり落ち着いたオヤジっぽいボッテリとした革靴。
地味な装いの中で、腕時計だけは高級だ。腕時計は、Bさんが唯一こだわるファッションアイテムなのだろう。そしてこのあと、Bさんは時間に追われる生活を送っていることが分かってきた。

【お見合い前半】“働きMAN”の気になる生活スタイル

「昨日も、朝の4時まで仕事をしていたんですよ」
開口一番に、こう語るBさん。昨日というか、ほとんど今日だ。朝まで働いていたとなれば、先ほどの遅刻もうなずけるというもの。

Bさんは、その職業を選んだ動機から現在に至るまでの経緯について、私でも分かるよう丁寧にゆっくりと説明してくれた。社会に出てから、必死に働いてきたのだろう。キャリアアップのために、野心を持ち続けて仕事に取り組んでいる様子が話の節々から伝わってきた。
難しそうな仕事だけに私は理解するだけで精一杯だったけれど、知らない世界に触れることができて得した気分になった。

本当に忙しい仕事漬けの毎日を送っているBさん。
以前は住宅街に住んでいたものの帰りが深夜で通勤が面倒になってしまったため、今では仕事場から歩いて数分というビジネス街のド真ん中に住んでいるんだとか。
Bさんのような仕事人間は、どんな生活を送っているのか気になるところ。ビジネス街で生活していたら一般的な生活スタイルとは、かけ離れていることだろう。話を聞くと予想どおり、家ではいっさい食事をしないから近所にスーパーはいらないという。生活に必要な消耗品は、大型ディスカウントショップなどで購入するそうだ。

自分の人生を犠牲にして仕事をしてきたんじゃないかと思えるくらい、話を聞くほどにBさんの日常は仕事で埋め尽くされているようだった。
仕事人間の男性は嫌いじゃない。むしろ、そこまで仕事に打ち込めていることに尊敬の気持ちすら覚える。しかし仕事の話しかしないBさんに、私は若干の寂しさを感じもした。

【お見合い後半】家族サービス、費用は自分持ちのビミョーな発言

話に区切りがつきトイレに立ち上がったBさん、15~20分ほど経過しても戻ってこない。ずいぶん長いトイレだと思っていると、用事はそれだけではなかった。どうやら仕事場に連絡を入れていたよう。
今日は日曜日だというのに、Bさんは仕事があるのだそうだ。私とのお見合いが終わったあと、仕事場に直行するのだとか。翌日は出張らしいから、本当に忙しい人である。

戻ってきてからのBさんと私は、お互いの家族についても話した。Bさんの家では、家族が全員集合する場を年に数回設けているという。仕事が忙しくて遠出する機会もないため、いつもよりちょっと豪華な食事をすることが家族の触れ合いの場となっているようだ。
忙しくても、こういった場を大切にしている一面を聞くと、すごく好感が持てる。しかし、Bさんが発したひと言が気になった。

「この食事会のお金は、全部私が負担しているんですよ」

苦笑しながら話していたから、冗談ぽい言い方ではあった。でも滅多に会わない家族団らんへの出費に対して発言することが気になったのだ。1,000万以上を稼ぐBさんが、そんなことを気にしているというのは、少々驚いた。もしかしたら、時間がなくても家族を大切にしているとアピールしたかったのかもしれないけれど、お金の話を持ち出したことは受け入れにくかった。

【お別れ】仕事が大事。ついでのお見合い

話をしている間じゅう、何となくソワソワしているBさん。心なしか、お見合いを早く終わりたそうだ。もしかしたら、さっきの電話は急ぎの連絡だったのだろうか。はたまたBさんの中で、すでにお見合い結果は出ていて、さっさと退散したいと思っているのだろうか。もしかしたら、お見合いどころじゃないほど仕事に追われて忙しいのかもしれない。いろんなパターンが頭をよぎった。

お見合い中のトークは、ほとんどがBさんの仕事についてだったから話足りない気もしていたが、「そろそろ出ましょうか?」と言われたら、居座り続けるわけにもいかない。

Bさんはウエイターを呼びスマートに会計を済ませて、私と一緒にカフェラウンジを後にした。
エレベーターで1階まで下りてお別れの挨拶をすると、Bさんはそそくさと玄関から出て行ってしまった。
すでに、仕事モードに切り替わっているかのような足取りで。

そんなBさんを見ていると、仕事に必死過ぎて結婚しても全然こちらのほうには振り向かないような感じがした。仕事に生きる男の人はカッコよく見えるが、あまりにもプライベートを軽視する状況は寂しいものだ。
Bさんとの明るい未来を想像できなかった私は、お断りの返事をした。